自動車電装 おすすめ書籍まとめ

 私は現在自動車関連企業で電装系の開発に携わっていますが、当初は電機メーカーからの転職でしたので、業界の基礎知識を把握していないことが不安でした。

 基礎知識をつけるために、社内の先輩方の机の上にある本を一通り購入してみました。

その中でも自動車の電装分野に携わる方向けに、個人的に役立った本を8冊紹介します。

写真にある通り、実際に購入して読んだ中で、厳選してお薦めする本です。

目次

選んだ本の基準

個別の業務に要求されるソフトウェアやハードウェア等の知識は、細分化されていて挙げるとキリがありませんし、業種により多岐に渡ります。今回紹介する書籍の観点は以下の3点です。

【教科書的に使える本】

電装系の開発部門配属の「新入社員研修」を一段深く書籍で学ぶことをイメージして紹介する本です。

【辞書的に使える本】

仕事の中でわからない言葉に当たった時に辞書的に使う本です。

【実践的に使える本】

若干ホビー要素がありますが実践的に学べる良い書籍です。

いずれの書籍も社内の方の所有率が高いので、広くお勧めできると思います。

教科書的に使える本

車載ネットワーク・システム徹底解説

社内で持っている人が多い本、第3位の本です。引き出しをのぞくと、この本が入っている人がよくいます。

電装系の開発者であれば、CANやLINといった車載ネットワークの基礎的な知識は欠かせません。

特にCANは全ての自動車で使われており、ほとんどのECUはCAN通信を行っています。

 この本がCAN通信について、最も体系的かつ詳細に書かれていると思います。

LINはCANと比べると使用頻度は落ちますが、こちらも多くのECUで使われている通信方式ですので、概要だけでも学んでおくことをおすすめします。

図解カーエレクトロニクス

社内で持っている人が多い本、第4位の本です。

カーエレクトロニクスについて日本語で書かれている本の中では網羅性と、情報の新しさに優れています。

 上がシステム編、下が要素技術編となっていますが、

「上」がパワートレイン等の走行技術系の説明がメイン、

「下」がECU開発を網羅的に説明したものです。

ECU開発に携わる方は下巻を先に一読されることを勧めます。

全体の概要から、セキュリティ、製造工程、EMCなどECU開発に必要な分野が広く浅く網羅されています。

辞書的に使える本

ボッシュ自動車ハンドブック

社内で持っている人が多い本、第1位の本です。

仕事でわからない言葉、技術に当たった時に、辞書的な使い方をしています。

 机の上に置かれている方がたくさんいらっしゃいます。私は英語の勉強として日英の両方のバージョンを持っています。英語の方が版が新しく、遅れて日本語版が出版されるので、英語に自信のある方は英語版だけでも良いかもしれません。

 古い版での誤記が新しい版だと直っている場合も散見されるため、とにかく新しい版をおすすめします。

Automotive Electrics and Automotive Electronics

図解カーエレクトロニクスに近い本ですが、広く網羅されているので私は辞書的に使うことが多いです。個人的には最も一番お勧めしたい本ですが、英語版しかないのが残念なポイントです。とはいえトヨタ自動車では新入社員は1年間の海外研修があるように、自動車業界であれば技術を英語で学んでおく優位性は高いと思います。

 なお、個人的には非常に良いのですが、英語版ということもあり、紹介する書籍の中で唯一、社内で持っている人は見たことがありません。

実践的に使える本

 車をいじるのが好きな同僚・上司に以前勧められた本で、社内の机の上ではあまりお目にかからないものの、話をすると多くの方が所有している本です。これらの本は自分の車のCANを読むことを主眼に置かれた本となっています。

 これらの本は業務に必要というよりも、ホビーの要素が強いですが、CANを使って動作を確認することは、実際の業務につながる良い経験になると思います。(実際の業務でもECUのCAN信号を見て動作確認、トラブル解析はよく行いますので、良い経験になると思います)

カーハッカーズ・ハンドブック

市販のCAN USBなどのツールを使って、CAN通信を読む方法を解説しています。私は英語版しか持っていませんが、日本語版が出ています。日本で購入可能なツールもいくつか紹介されています。

動かして学ぶCAN通信

 Arduinoを使って回路を作り、CANを読む方法を紹介しています。

序盤にはCANの一般的な説明も載っていますので、CANを軽く把握するのにも使えます。

序盤の平易な説明に対し、後半は説明が若干不足しているように感じる点が難点ですが、現時点でわかりやすい書籍の一つかと思います。上述したカーハッカーズバンドブックと比べると、カーハッカーズハンドブックの方が市販のCANツールを使うので、簡単ではあります。

おまけ:社内での所有率は高いが、それほど読まなかった本

自動車ハンドブック

社内で持っている人が多い本、第3位です。

自動車技術会が出しており、計10冊あります。自動車のあらゆる分野に対する網羅性は素晴らしいですが、電装系の分野はカバーしている範囲が狭いので、個人的にはあまりお勧めしません。走行系の技術に携わる方で、お金に余裕がある方は、いざというときの辞書として持っておいても良いと思いますが、所有の優先度は低いと思います。社内ではいろんな分野を統括しているベテランの技術者が持っている方が多いです。私のような窓際のゴミ社員が所有する有用性は低いと感じました。分野別に計10冊ありますが、電装系の技術者であれば7だけ持っておくのもありかもしれません。

さいごに

 書籍だけでは業務に直結する知識を得られにくい側面はありますが、言葉と概要を抑えておくだけでも、初めて業務に触れる時に理解しやすいですし、概要をつかみやすいです。

聡明な皆様におかれましては、私のように購入しただけで知識を得た気にならないようにご注意ください。笑

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この記事を書いた人

電機メーカーから自動車系メーカーへ転職し、電装系の開発を行う窓際会社員。

本ブログで自分が学んできた技術内容を発信します。

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