ディーラーでバッテリー交換を勧められて、純正バッテリーの高額さに驚かれる方も多いのではないでしょうか?
バッテリーの種類にもよりますが、Amazonやカー用品で買える一般的なバッテリー価格に対し、ディーラーで薦められる純正バッテリーは工賃を除いても、2~3倍程度の値段になることもあります。
こんなに高いなら純正以外のバッテリーを使いたいけど、純正バッテリー以外を使っても大丈夫?
純正バッテリーを使わないとどんな影響があるの?
そのように疑問を抱く方も多いのではないでしょうか?
本記事を読めば、おすすめバッテリーと、社外品を使った時の影響が分かります。
結論
コスパ重視なら純正品以外の社外品バッテリーがおすすめ
純正品と社外品のメリット・デメリット
まず、純正品と社外品のメリット・デメリットを表にまとめると以下の通りです。
バッテリー種別 | 純正品 | 社外品 |
メリット | 長持ちする可能性がある | 安い |
デメリット | 高い | 純正品に大して寿命が短くなる可能性がある |
純正品だと何故長持ちする可能性があるのか?
理由は「充電制御車のECUが純正品のバッテリー特性に合わせて制御するため、社外品を使うと制御にズレが生じるため」です。
そもそも充電制御車のECUはバッテリーセンサーからの電圧、電流、温度、抵抗値などの情報と、予めECUに保存してあるバッテリー特性を組み合わせ、充電量を推定します。

当然ECUは社外品の情報を持っていないため、純正品の特性に合わせてSOCを推定します。そのため推定するSOCにズレが生じてしまうのです。
(逆に言えば上記のような制御をしていないような充電制御車でない古い車の場合、純正品を選ぶメリット無しです)
社外品を付けた場合の具体的なSOCの推定ズレについて、一例を紹介します。
例えば下図の例ですと、ECUは13Vという情報から純正品の特性から95%だと判断しますが、実際は社外品の特性からSOC85%が正しいです。

車はバッテリーが劣化しないように特定のSOCに制御しようとしますので、充放電のふるまいは例えば下記のようになります。

上記の例では劣化しないように95%に制御しようとしても、社外品を使っていると85%に制御されることにより、劣化が進行しやすくなります。
鉛バッテリーを長持ちさせるには「常に95%のようなフル充電に近い領域で使用すること」が望ましいため、低いSOCでの使用を継続すると劣化が進みやすくなるのです。[1]
何故社外品を勧めるのか?
上述した通り、制御観点では純正品の方が長持ちが期待されます。
しかし、そのメリットを打ち消す程に純正品の価格は2~3倍高いです。
社外品のバッテリーを使用したからといって、適切な国産バッテリーを選んでいれば、寿命が半分や1/3になることは非常に稀です。
以上から、コストパフォーマンスに優れるのは社外品であるため、社外品のバッテリーをおすすめします。
おすすめバッテリー
PanasonicやGS Yuasa等の実績ある国内メーカーであれば、どれも十分な耐久性を有していると思いますので、自身の車に合った型式のものを選択いただければと思います。
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充電制御車の制御の基本は下記を読むと分かります。

References
[1]https://www.mazda.com/contentassets/18ab23ac160d4a00a1c202984fbf8ce1/files/2007_no029.pdf
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